ぎっくり腰にはストレッチ!は危険

「ぎっくり腰になったらストレッチを行ってもいい?」と患者さんに聞かれる事がよくあります。
youtubeなどで「ぎっくり腰」と検索すると長時間のストレッチの動画や指圧している動画を
よく見かけます

結論から申しますと、ぎっくり腰になったらストレッチは絶対に行わないで下さい。

痛いという事は細胞レベルでは傷口になっています。

ストレッチとは筋肉を伸ばす運動です。

つまりギックリ腰の傷口に対して、ストレッチによる負担を加えれば傷口はさらに広がります。

負担を加えて、傷口が早くくっつくという事は物理的に絶対にありません。

ですので、ギックリ腰になったらストレッチは絶対に行わないで下さい。

そしてギックリ腰になった際は、痛みが出ていると感じる動作を出来るだけ行わない様に気を付けて下さい。

痛みのある動作を繰り返す度に腰の傷口が開き、治りが悪くなります。

乾燥して指にできたささくれを思い出してください。

初期のささくれを剥がすと、どんどん「ささくれ」が大きくなってしまいには出血していきます。

腰痛で起こる筋肉はこの「ささくれ」と同じで傷口の治りはどんどん悪くなります。

ストレッチを強制されると、なかなか痛みが収まらないギックリ腰が完成します。

怪我をした動物を思い出してみて下さい。

怪我をした動物は、傷が癒えるまでは必ずじっとしています。

しかし人間だけは、何故か痛めた時に限って焦って動かして治そうとします。

ストレッチ等の「動かす」事はどうか普段の正常な時に頑張って下さい。


なので、


ぎっくり腰の状態でストレッチを行うと、傷口は広がり痛みも悪化して逆効果になります。

ストレッチは痛みの無い正常な時に行う様にしてみて下さい。

ぎっくり腰の予防としてストレッチは有効?

人のカラダは建造物と同じでうまくバランスをとって成り立っています

筋肉は柔らかすぎても良くありませんし、また硬すぎてもダメ。

何事も平衡な状態が最もいいとされています。

ぎっくり腰の最中のストレッチは傷を開いてしまうのでよくありませんが、
ストレッチはぎっくり腰の予防としてはとても有効です。

ぎっくり腰のストレッチは「いつから」やっていいの?

ぎっくり腰が治ってきた回復期には、ストレッチを少しずつなら行っても大丈夫です。

ただし、いきなり腰のストレッチを行うと悪化する可能性があります。

よって、まずは下半身の筋肉から徐々に行うようにしましょう。

下半身裏側の筋肉の柔軟性が良くなると、それだけで腰への負担は軽減します。

<ぎっくり腰再発防止の簡単予防ストレッチ>

① もも裏の筋肉 (ハムストリングス) のストレッチ

まずは、仰向けになってストレッチしたい側の膝を抱えて下さい。

その際、もう片方の足は伸ばしておき、さらに背中も丸めずに伸ばしておいて下さい。

そして、抱えた膝をおなかにゆっくりと近づけながら、もも裏の筋肉 (ハムストリングス) が気持ちが良いと感じる“「痛気持ちいい」 という強さでストレッチして下さい。。

もも裏の柔軟性が得られると、前かがみした際、腰への負担が軽減されます。

また足を伸ばした側の鼠蹊部の筋肉(腸腰筋)もストレッチする事が出来ます。

腸腰筋の柔軟性も得られると、腰を反った際、腰への負担も軽減されます。


② ふくらはぎ (腓腹筋・ヒラメ筋) のストレッチ

ふくらはぎの柔軟性が得られると、前かがみした際、腰への負担が軽減されます。

やり方は、

①正座の状態から片方の膝を曲げる
②曲げた膝に胸からおなかをしっかりくっつける
③その状態で頭を前に倒すように上体を前傾させていく
④ふくらはぎから、前脛骨筋(すね側)、アキレス腱までにしっかりストレッチを加える

実はアキレス腱も腰痛にとってかなり重要な部分。しっかりのばしていきましょう。

またふくらはぎは第二の心臓といわれ、腓腹筋のポンプ作用で下半身の血液を心臓へ送り返し、足のむくみも改善します。

足のむくみでお困りの方も是非、試してみて下さい。

ストレッチする際、反動はつけない

もも裏のハムストリングス、アキレス腱、ストレッチする際は、共にあまり反動はつけない様にして下さい。

「ジワ~」と気持ち良い強さで伸ばしてみて下さいね。

慣れてきたら「じわーーっ」と利かす静的ストレッチよりも動的ストレッチといって、
小気味良くリズム感をつけて揺らすストレッチもやってみてください。
ただ、動的ストレッチも大きく反動をつけて勢いよく反動をつけるのはおすすめしません。

時間帯によってストレッチの効果も変わります

夕方や夜のお風呂入浴後、筋肉の血流が良くなった状態の時に行うのがオススメです。

就寝前にストレッチを行う事で一日の疲労も取れやすくねり、
翌朝もすっきり気持ち良く起きられます。

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